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金融機関とうまく付き合い信用力を高める

1 金融機関の種類

中小企業が最も重視する資金調達手段としては、約70%の企業が金融機関からの借入と回答しています(H20/8帝国データバンク公表資料)。内部資金の活用や社債などの直接金融を行っている企業もありますが、多くの中小企業においては金融機関からの借入が重視されているのが現状です。
そこで、中小企業に融資を行う金融機関の企業審査の方法等について解説します。
中小企業に融資をする金融機関を大別すると、民間金融機関と政府系金融機関の2種類があります。両方の金融機関をうまく活用することで、企業の資金調達力を確保することが重要です。

(1)中小企業に融資を行う金融機関

(2)民間金融機関と政府系金融機関の特長

民間金融機関

金融機関名 特長
都市銀行(メガバンク) 業界リーダー、融資額が大きい、
融資商品が豊富、地方では支店が少ない
地方銀行 地域密着金融機関
信用金庫 都銀、地銀に比べ地域密着、非財務面にも重点を置く

政府系金融機関

金融機関名 前身 特長
日本政策金融公庫 中小公庫、国民生活金融公庫、農林漁業公庫、国際協力銀行が統合 銀行、信金に比べ融資が受けやすい
創業資金融資が特長的
(株)商工組合中央金庫 旧商工中金 普通銀行と同じ機能を持つ

 

2 金融機関の審査ポイント

(1)民間金融機関の審査項目

資金使途    ⇒    運転資金・設備資金
金利    ⇒    収益を確保できるか
融資期間    ⇒    適正な期間か、設備資金であれば償却の期間内か
返済方法・返済財源    ⇒    返済計画は妥当か
担保    ⇒    評価、換金性に問題ないか
保証人    ⇒    保証能力があるか
総融資額    ⇒    過剰融資になっていないか
計画の妥当性    ⇒    事業計画、設備計画は妥当か
試算表    ⇒    業績推移は問題ないか
決算書    ⇒    財務分析内容に問題ないか
預貸銀行取引状況    ⇒    他行動向に変化がないか
経営者の資質    ⇒    経営者としての資質
事業活動の実態    ⇒    経営実態があるか
業界動向    ⇒    業界特性、競争力
格付け    ⇒    金融審査マニュアルに基づく

上記のうち①~⑨においては、融資の申込みの都度、審査を行っています。
このうち計画的に取組むことにより、改善可能なものが⑨~⑪です。

試算表    ・・・ 業績推移は問題ないか
決算書    ・・・ 財務分析内容に問題ないか
預貸銀行取引状況    ・・・ 他行動向に変化がないか

(2)金融機関の財務分析の主なもの

 

3 金融機関との付き合い方・・・10のポイント

(1)複数行取引をする

創業間もない会社または小規模な会社であれば、1つの金融機関との取引でも特に支障は生じないと思われますが、ある程度の規模になると1つの金融機関だけの取引は融資を断られると窮地に追い込まれるリスクがあります。少なくとも2つ以上の金融機関と取引を行い、リスクを分散しておく必要があります。
また金融機関側も、自行の経営状態や経済環境によっては融資ができない場合もあり、一行取引は望んでいません。

(2)抽象的表現はせず、数字で具体的に説明する
融資を受ける会社の社長が、営業、財務総てに精通しているのが理想形ではありますが、社長が財務にあまり精通していない場合は、財務のわかる経営幹部などを同席して会社業績、事業計画、借入の申込理由、返済計画は数字を使って具体的に説明するようにします。情緒的な話では、金融機関は首を縦に振りません。

(3)営業資金の入出金はメインバンクを中心に行う
給与振込、公共料金決済、ネットバンキング、クレジットカードなど
負担にならないものは付き合う ⇒ ギブ&テイク

(4)公的融資を使う、普段から調査しておく
公的融資は国や地方自治体が中小企業に資金支援するために、民間の金融機関よりも有利な条件で融資を受けられる制度を備えています。また返済不要の助成金なども準備されていますので、自治体などのHPで確認することをお薦めします。

(5)信用保証協会を利用する
平成19年10月から信用保証協会の保証制度が大きく変わりました。従来は融資額の100%を保証していましたが、現在は融資額の80%までを保証金額としています。
このことは、金融機関側にしてみると、保証協会の保障があれば安心して融資できた案件が、20%のリスクを保全できなければ容易に融資できなくなったことになります。
一方、企業側からは、20%に相当する金額の担保が減ったと考えることができます。

(6)株式公開を目指さないなら、中小企業のほうが有利
株式公開を考えていない場合には、公的融資や助成金を活用できる中小企業のままでいる方が有利なことが多いといえます。

(7)決算終了後、社長または経営幹部がなるべく早く説明に出向く
決算書は、銀行から催促を受ける前に、社長または経営幹部が説明報告のために出向くことが必要です。

(8)年度計画、中期計画を作って金融機関に開示する
年度計画、中期計画書を作成しているのであれば、金融機関に開示をして理解しておいてもらうほうが、今後の資金調達がスムーズに行くケースが多くなっています。

(9)金利の折衝は最後に行い、実効金利を押さえておく
金利の折衝は、最後に行います。利率は、企業各付け基準に基づいていることから、無理な折衝は時間の無駄です。
しかし、実効金利を押さえて折衝すれば、多少の引下げ余地は生じると思われます。

(10)社長の資産は全て公開しない
中小企業の場合、金融機関からは必ず社長の個人保証を求められます。
この際には、社長が有する個人資産負債を聴取されますが、この情報は万一の際の参考情報であるため総てを公開する必要はありません。

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